コスモ石油エコカード基金は、コスモ・ザ・カード・オーパス「エコ」、コスモ・ザ・カード・ハウス「エコ」のお客様から毎年お預かりする500円とコスモ石油グループからの寄付金を、環境保全活動を行うNPOなどに寄付することで、その活動をサポートしています。

熱帯雨林保全プロジェクト(パプアニューギニア)を訪ねて

エコカード基金会員の皆さま、こんにちは。
私たちエコカード基金事務局は、2月2日〜4日の三日間、基金のプロジェクトの一つである、「熱帯雨林保全プロジェクト」の活動拠点がある、パプアニューギニア(PNG)のラバウル市を訪問しました。

私たちはソロモン諸島マライタ島での熱帯雨林保全活動の訪問を終え、もうひとつの熱帯雨林保全活動を行っている、ソロモン諸島の隣にあるパプアニューギニアのラバウル市に降り立ちましたが、雨季だったソロモン諸島とは違い、ここでは青空がとても眩しく感じられました。


ラバウルのトクア空港と青空

整備された道路を走り、コスモ石油エコカード基金が熱帯雨林保全活動の支援をしている公益財団法人オイスカのエコテック研修センターに到着しました。研修センターに到着したのが夕方だったため、その日はフランシス所長やスタッフへのご挨拶のみとし、翌日の午前中に研修センターの農業インストラクターであるダニエルさんに、広大な施設内を案内していただくことにしました。


豊かな森の中にあるエコテック研修センター事務所棟

残念ながら研修センターは次の学期の研修へ向けての準備期間となっており、定置型有機農業を学ぶ一部の研修生の姿しか見ることはできませんでしたが、エコテック研修センターのフランシス所長やインストラクターの皆さんは、もうすぐやって来る研修生のために着々と準備を進めており、熱気と活気にあふれる研修の様子が目に浮かびました。


ダニエルさんと育苗中の野菜の苗

前回の事務局視察時同様、敷地内には田んぼが広がっています。ここでは年間3〜4回収穫ができるので、田んぼごとに時期をずらして田植えや収穫を行うことができます。田植えの準備をしている田んぼの隣に、稲がたわわに実り収穫を待つばかりとなった田んぼが並んでいる姿は、日本では見られない、南国ならではの光景です。とはいえ収穫後すぐに次の耕作(連作)をすると土が痩せてしまうので、順番に休耕させます。

そして休耕中の田んぼには、「カラピ」など、土を元気にする豆類を植え、元気な土に戻します。ダニエルさんは、エコテック研修センターがモデル村として農業の普及に力を入れているサンバム村で大豆(ダイズ)の栽培を指導しています。大豆は先ほどのカラピのように、土に栄養分を取り戻す作用だけでなく、村の人々にとって大切な植物性タンパク質の供給源となります。ダニエルさんは、収穫した大豆を食用とするほか、一部を枝から外し、翌年の種としても使いたいと考えています。


田んぼ(奥が収穫前の稲、手前がカラピ)


乾燥中の大豆


マイクロミル

しかしダニエルさんの思いとはうらはらに、村の人たちはついつい大豆を全部食べてしまい、翌年の種が無くなってしまうことに頭を悩ませています。村人たちへの定置型有機農業の浸透はまだまだこれからです。

また、お米を食べるためには精米しなければなりませんが、精米機を持たない村人たちは車でも片道2時間以上かかるエコテック研修センターまでお米を運んで来なければなりません。近日中にサンバム村にマイクロミル(小型精米機)を運び、村で作った米を村で精米できるようにする計画だそうです。これで村の人々は楽になり、時間を有効に使うことができるようになります。


前回訪問時同様、エコテック研修センターの敷地内では様々な動物が元気に暮らしていました。豚小屋では、生まれたての子ブタが元気に母親の乳を競い合うように飲んでいます。ティラピアを養殖している池では、2種類のカモが水辺を走り回っています。


豚小屋のブタ


ティラピア


水辺のカモ


ワニ


イーグル

敷地内に植えられた植物(キャッサバの食べない葉や茎といった農業残渣やもみ殻)や、豚小屋から出る糞などの有機物は、発酵させて肥料「ぼかし」とします。またこのぼかしはティラピアなど動物のえさにもなります。そしてエコテック研修センター内で死んでしまった魚や動物は、ワニやワシのえさに…。このようにエコテック研修センターの中では、定置型有機農業だけではなく、循環型農業も営まれているのです。

また、敷地周辺の森からは様々な鳥や動物たちの鳴き声が聞こえ、エコテック研修センター周辺にはまだまだ生物多様性に富んでいる豊かな森が残っていることを実感しました。

エコテック研修センターは開所以来22年間で述べ3,000人もの若者を受け入れてきました。次の学期も約100名(うち36名は女性)が研修を受ける予定です。この長年にわたるオイスカの活動が州政府に認められ、2006年からは州政府の補助金により、PNG全国から研修生が集まるようになりました。その活動は農業に携わる者、携わろうとする者のみではなく、国内各層に広く受け入れらており、卒業生の中には、地元に戻って定置型有機農業を広めようと活動をする若者や、中には地元で選挙に立候補し、要職に就く人も出てきているそうです。エコテック研修センターの元所長で、これまで多くの研修生を送り出してきた技術顧問の荏原さんは、「エコテック研修センターでの活動が、才能ある人材の発掘、産業育成、活躍の場を広げる機会になれば」と話しています。


研修生が寝泊まりする寮

この後、私たちは、前回訪問したケラバットのCIS刑務所でオイスカが実施している定置型有機農業研修を受け、刑期終了後、自分で農業を始めているHさんの農場を訪ねました。うっそうとした森の中にあるHさんの土地には、若いココナッツの木がたくさんあります。Hさんはここでココナッツの実の白い部分から取れるコプラを製造しています。コプラは乾燥させて絞ることにより油を得ることができ、また、加工食料の材料として利用できるため、地元住民の貴重な現金収入源となっています。


Hさんのココナッツの森

コプラは天日干ししたものが一番高く売れるそうですが、雨季である現在はココナッツの殻を熱源とする乾燥機で乾燥させます。燻製臭や色がついていない方が商品価値は高く、Hさんはコプラを乾燥させるときには細心の注意を払っています。またHさんは、この周辺は平坦な土地が限られており、ココナッツの樹も若いため、近くの島で稲作も始める予定であるとのことでした。ここでもコスモ石油エコカード基金の支援活動の成果を見ることができました。


乾燥器のなかのコプラ

次に訪れたのは、前回も訪問したCさんの農園です。ここではニワトリや豚を放し飼いしていたり、キャベツの苗を育てたりしていました。


ニワトリと豚


キャベツの苗


自宅の庭先で販売している手作りの装飾品

このようにラバウルでは、刑期を終えた元受刑者たちが、生活の糧とするために新たに農業や事業を始めるケースが増えています。

前回も報告した通り、刑務所の看守たちも受刑者と一緒に定置型有機農業の技術を身につけ、自給自足ができるようになっていることや、余った農作物を外部に売り現金収入を得ることができるようになったことが評判を呼び、各地の刑務所から、自分のところにも来て農業を教えて欲しい、との要請が引きも切らないそうです。コスモ石油エコカード基金の支援による活動は、着実にPNG国内で浸透し始めています。


エコテック研修センターでは、定置型有機農業の普及のみではなく、生物多様性の保全についても取り組むとのことで、そのための準備を始めているそうです。


私たちコスモ石油エコカード基金は、パプアニューギニアでの活動のように、これからも持続的な社会や生物多様性保全の実現のため、「ずっと地球で暮らそう」を合言葉に、継続的に支援していきたいと考えています。

コスモ石油エコカード基金事務局


コスモ石油エコカード基金とは

カテゴリ

アーカイブス

ブログ内キーワード検索

RSSリンク

携帯からのアクセスはこちら
qrcode