コスモ石油エコカード基金は、コスモ・ザ・カード・オーパス「エコ」、コスモ・ザ・カード・ハウス「エコ」のお客様から毎年お預かりする500円とコスモ石油グループからの寄付金を、環境保全活動を行うNPOなどに寄付することで、その活動をサポートしています。

エコカード基金設立10周年企画「種まき塾の里親プロジェクト」 たくさんのご参加ありがとうございました。

今年7月に、エコカード会員の皆さまに参加を募集しました「種まき塾の里親プロジェクト」は、3カ月間の里親期間を終え、北海道・富良野にある「種まき塾」の苗畑に、里親のみなさまから苗木ポットをご返送いただきました。

里親期間中も里親のみなさまから「芽が出たよ!レポート」をいただきました。ありがとうございました。

  


今回は、里親のみなさまからご返送いただいた苗木が今、北海道・富良野でどんなふうに過ごしているのかをご報告いたします。

<返送いただいた苗たち>

11月4日時点で約420鉢程度ご返送いただきました。10月末の返送期限を過ぎても続々と返送頂いている状況です。この時点で、種の発芽率は、3割程度。この冬を越えて、これから発芽するかもしれません。


手前から1列目と奥の1列目に11月初旬までに返送いただいた苗木を保管しています。
 


今回返送いただいた苗の中で、発芽しているものは、「ハルニレ」がほとんど。もうひとつの「エゾヤマザクラ」は、里親期間中に土の中でゆっくり育って、この冬を越え、来週の温かくなる頃に発芽するものもあるそうです。茶色い葉の苗木もありますが、冬を越えると春には新芽がでてきます。




<越冬準備>

苗を立てたままにしておくと、雪で押されて苗が折れてしまいます。そこで、写真の苗木のように、多少大きく成長した苗は、地面に斜めに寝かせて、その上にゆきをかぶせて越冬させます。こうすることで、地表で越冬するよりも雪の下の温度の方が高いため、状態良く越冬することができます。




<これから・・・>

冬を越え、温かい春を迎えた苗木たちは、更に大きく成長していきます。早いもので3年程度、植林する場所に合った苗木に成長するまで、大切に育てていきます。しかし、これから植林できる苗木にまで成長する間にも、様々な試練が待ち受けています。例えば、鹿。エゾヤマザクラの若い芽は、エゾシカの大好物。大きく育ったとしても、自然の摂理の中で淘汰されてしまうこともあります。がんばれ!苗木たち!!





<種まき塾を支えるひとたち>

作業にあたるスタッフは、1日あたり5〜10人程度。スタッフのほとんどは、造園業のOBで、みんなその道のプロフェッショナル。かわいい苗木たちをよろしくお願いします。


種まき塾・横市理事長

今後も定期的に、里親のみなさまに育てていただいた苗木の様子をご報告致します。


事務局

エコプロダクツ2011 エコカード入会特典!

 12月15日(木)〜17日(土)まで開催される「エコプロダクツ2011」のコスモ石油ブースで、コスモ・ザ・カード「エコ」に入会されたお客様に素敵なプレゼントをご用意しています。
ご来場の際にはぜひお立ち寄りください。

■入会/切替特典対象
エコプロダクツ開催期間中に、当社ブース内でコスモ・ザ・カード・オーパス「エコ」、コスモ・ザ・カードハウス「エコ」に新規入会もしくは切替手続きをした皆さま

■特典内容
「秦嶺山脈 森林・生態系回復プロジェクト」で生息域の回復をめざしている絶滅危惧種の「キンシコウ」をモチーフにしたぬいぐるみを、先着70名様にプレゼントいたします。

エコプロダクツ2011 コスモ石油ブース スペシャルステージプログラムスケジュール

 

12月15日(木)〜17日(土)の3日間開催されるエコプロダクツ2011にコスモ石油ブースのスペシャルステージプログラムのスケジュールが決まりました!

≪スペシャルステージプログラム(予定)≫

エコカード基金のプロジェクトパートナーなどをお招きして講演会を開催します。
ぜひご来場ください。

また、ステージプログラムの講演ステージ前のビッグテーブルには、エコカード基金の環境活動をジオラマで再現しています。ジオラマのどこかに、キンシコウやムササビのミニチュアが隠されています。見つけてみてください。

なお、当日の進行状況により、ステージ開始・終了時間が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

■種まき塾 (種まき塾 横市理事長)

日時:12月15日(木) 12:40〜13:10/13:40〜14:10
内容:種まき塾に込められた思い、コスモ石油エコカード基金とのパートナーシップについてお話していただきます。

■シルクロード緑化プロジェクト(NPO2050 北谷代表)
 
日時:12月15日(木) 14:40〜15:10/15:40〜16:10
内容:北谷代表のプレゼンテーションを中心に、現地の様子やプロジェクトの現状についてお話しいただきます。

■ムササビとともに暮らす里山再生プロジェクト(NPO法人都留環境フォーラム 河野格氏)

日時:12月16日(金) 12:40〜13:10/13:40〜14:10
内容:山梨県都留市での環境活動の様子や、今年10月に実施したエコカード会員対象のエコツアーについてお話いただきます。

■ビオトープ浮島 水辺の生態系回復プロジェクト(NPO法人とよあしはら 宮林茂幸理事長)

日時:12月16日(金) 14:40〜15:10/15:40〜16:10
内容:浮島型のビオトープが生態系の回復にどのような効果をもたらすのかなど、プロジェクトの現状についてお話いただきます。

■南太平洋諸国支援/キリバス(国際マングローブ生態系協会 馬場繁幸事務局長)

日時:12月17日(土) 12:40〜13:10/13:40〜14:10
内容:南太平洋に位置するキリバスでのマングローブ植林活動の様子についてお話いただきます。

■熱帯雨林保全/ソロモン(NPO法人APSD 代表代行 西尾浩隆氏)

日時:12月17日(土) 14:40〜15:10/15:40〜16:10
内容:自然豊かなソロモン諸島で行っている農業指導の様子などについてお話いただきます。

 
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

ビオトープ浮島 水辺の生態系回復 エコカード会員対象エコツアーを開催しました(2011/9/18)

2011年9月18日に、日頃より「コスモ石油エコカード基金」へご支援いただいている「エコ」会員の皆さまに、当基金のプロジェクトのひとつである「ビオトープ浮島 水辺の生態系回復プロジェクト」を体験していただくツアーを開催しました。

エコツアー当日は、9月中旬とは思えないほど日差しが強く、汗ばむ陽気のなか、15名の「エコ」カード会員とその家族・ご友人にご参加いただきました。

今回のエコツアーの会場となったのは、埼玉県幸手市にある権現堂調節池。利根川水系の支流であり、埼玉県や東京都を流れ東京湾に流れ込む中川の「治水」「利水」を行う目的で建設され、地元の方からは「行幸湖」の愛称で親しまれてきました。


権現堂調節池の様子


NPO法人「とよあしはら」の山本事務局長から、浮島型のビオトープ(野生の生き物の住処)を浮かべることによって水質浄化ができること、魚や鳥が行きかう拠点になることなど、ビオトープの設置と生物多様性の保全の関係性についてお話いただきました。
ビオトープの材料となっている丸太や竹、炭はすべて間伐材。水辺の生態系だけでなく、森林の生態系へも配慮したビオトープなのです。


NPO法人「とよあしはら」山本事務局長の話に聞き入るエコカード会員


午後から、浮島型のビオトープ作り開始。うだるような暑さの中でしたが、参加者は夢中で組み立てていきます。


3mを超える丸太や竹を紐で結び付けていきます


間伐材で作った炭を袋(素材はココヤシ)に詰めていきます



間伐材炭を入れた袋を骨組みにくくりつけ、完成!



いざ!権現堂調節池へ浮かべます!総重量はなんと約600kg!!

権現堂調節地には、数年前に設置したビオトープが浮かんでいます。鳥が卵を産んで巣を作ったり、水中には魚が集まったりと、生き物たちの住処となっています。今回設置したビオトープも数年後には、この地域の生物多様性保全の一助となるよう、今後も見守っていきます。



☆☆☆☆☆☆参加したエコカード会員の声☆☆☆☆☆☆
・初めての体験で大変楽しかったです。また参加したいです。(40代、男性)
・楽しく子どもとともに浮島づくりを体験させていただき、それが少しでも川の浄化に役立つならうれしいです。一人ひとりできることはわずかですが、みんながエコに対して敏感になれれば環境への影響は大です。(40代、女性)
・今後も参加型のイベントがあれば積極的に参加したいと思います(40代、男性)
・これからもこういった活動をたくさんやってください(30代、男性)


事務局

ムササビとともに暮らす里山再生 エコカード会員対象のエコツアーを開催しました(2011/10/9-10)

2011年10月9日・10日に日頃より「コスモ石油エコカード基金」へご支援いただいている「エコ」会員の皆さまに、当基金のプロジェクトのひとつである「ムササビとともに暮らす里山再生プロジェクト」を体験していただくツアーを開催しました。
当日は、野外での活動にふさわしい青空が広がり、初秋の温かな日差しのなか19名の「エコ」会員とそのご家族・ご友人にお集まりいただきました。

<1日目>

朝9時に東京を出発し、昼ごろ今回のエコツアーの活動場所となる山梨県都留市の森へ入り、NPO法人「都留環境フォーラム」の加藤代表から、森の生態系の役割、都留市のシンボルであるムササビが住むことができる森づくりについてお話いただきました。その後、「南都留森林組合」の方からの指導を受け、参加者はのこぎりを手に、間伐・除伐を体験しました。


森の様子についてNPO法人「都留環境フォーラム」加藤代表から説明を受けるエコカード会員


間伐体験の様子


間伐体験で汗を流した後、地元の大学の学生で、NPO法人「都留環境フォーラム」学生部のみなさんから、日頃のムササビ観察の様子を聞きました。ムササビの食痕やフンなどの話を聞いて、参加者もこの後に予定しているムササビ観察への期待が膨らみます。


NPO法人「都留環境フォーラム」学生部のみなさん


その後、バスで近隣の神社へ移動し、ムササビ観察を行いました。ムササビは、「むろ」と呼ばれる木に自然と空いた穴を住処にしています。「むろ」ができるまで、永い年月を要するため、神社にある大木はムササビにとって格好の住処なのです。今回は、間伐体験をした森にほど近い神社で、ムササビを観察します。
観察するタイミングは、夜行性のムササビが「むろ」から森へ餌を求めに飛び立つ「日没」の時間と、森から「むろ」へ戻る「日の出」の時間。ムササビを見る為に、参加者はじっと静かに息をひそめていたところ、幸運にも全員がムササビを見ることができました。



ムササビを観察する参加者


<2日目>

日の出の時間に間に合うように、朝4:30に宿泊場所を出発した参加者たちは、ふたたび息をひそめて神社へ入っていきます。眠たい目をこすりつつ・・・ムササビが「むろ」に戻ってくる姿を、参加者の数名は見ることができました。



朝食後、ふたたび森へ戻って間伐体験をしました。のこぎりをもつ手も慣れて、間伐のスピードもアップしていきます。間伐が終わって、あたりを見回してみると、日が森へ差し込んでいました。


間伐後の森の様子


☆☆☆☆☆☆参加したエコカード会員の声☆☆☆☆☆☆
・森林整備やムササビ観察など今回が初めて体験することばかりでした。また参加したいです(20代、男性)
・森づくりの最初の一歩のお手伝いができて良かったです。小さなことでもはじめの一歩が大事!(40代、女性)
・ムササビという動物を通じて、里山の整備がいかに大切か、生物多様性がいかに重要かを改めて確認することができた(40代、男性)



☆☆☆☆☆☆運営に参加したコスモ石油グループ社員ボランティアの声☆☆☆☆☆☆
・参加されたエコカード会員のみなさまの環境に対する意識の高さにびっくりしました。エコカード会員のみなさまと一緒に活動することで、社員ボランティアとして参加した私のほうが勉強になりました。
・業務では実際にお客様と接する機会はないのですが、こういう活動で顔の見える関係を築けたことがうれしかったです。またボランティアとして参加したいです。



今後もエコカード会員の皆さまにプロジェクトを体感していただくツアーを企画していきたいと思います。

事務局

エコカード基金は今年もエコプロダクツ2011に出展します!

今年で13回目を迎える「エコプロダクツ2011」は、700を超える社・団体が出展する日本最大級の環境展です。今年のコスモ石油ブースでは、エコカード基金の活動を中心に、プロジェクトをわかりやすく紹介するパネルを展示し、現地で活動するプロジェクトパートナーをお招きして講演会を開催します。

コスモ石油ブースでの講演会日程、出演者などの詳細情報は、事務局レポートで随時公開していきます。

国内外で活動するプロジェクトの“いま”を、実際に活動しているプロジェクトパートナーから聞くことができる機会です。ぜひ会場までお越しください。



ブースイメージ(案)

オイスカ50周年特別功労賞を受賞しました。

 このたび、コスモ石油エコカード基金は、支援団体の母体で、創立50周年を迎えた「オイスカ・インターナショナル」より、永年の取り組みに対して「特別功労賞」を受賞しました。


コスモ石油エコカード基金とオイスカ・インターナショナルの推進機関である「公益財団法人オイスカ」は、2002年の基金設立当初から、パプアニューギニアにおいて「熱帯雨林保全」プロジェクトを展開しています。現地において、コスモ石油エコカード基金とオイスカの取り組みは、10年経過した現在では、パプアニューギニア政府からも評価される活動になりました。

10月7日(金)に開催された受賞式典では、森川桂造エコカード基金理事長が出席し、式典後のレセプションでは天皇陛下に謁見する機会をいただきました。

今後もコスモ石油エコカード基金は、「エコ」会員の皆さまからお預かりした大切な寄付金やコスモ石油グループからの拠出金を、世界各地のさまざまな環境問題の解決のために活用してまいります。


特別功労賞受賞の様子
(左端:中野良子オイスカインターナショナル総裁、左から3番目:森川桂造エコカード基金理事長)


特別功労賞「表彰状」

熱帯雨林保全[パプアニューギニア]現地視察(2011/8/27-9/2)

 この度、現地で熱帯雨林保全活動をしている、NGOオイスカの活動を視察するために、パプアニューギニア(以下、PNG)を訪問してきました。
オイスカに対するエコカード基金からの支援は2002年から始まっており、今年で10年目になります。
オイスカはこれまでのカカオや、パーム(やし)畑のプランテーションから、循環型農業の普及という形で、稲作への転換や、環境教育の普及を長年現地で行っています。

私たちは、オイスカのエコテック研修センターのある、イースト・ニュー・ブリテン州のラバウルに降り立ちました。
飛行機から見下ろすラバウルの街は緑であふれ、とても森林が危機に陥っているようには見えません。


私たちをエコテック研修センターまで案内してくれたオイスカの荏原(えはら)さんに、緑がきれいですね、と話をすると、この辺りはパーム畑だらけになって、自然が失われている、との言葉。
正直、この時点では???でした。


エコテック研修センターは、現地の青年を集め、有機循環農法の普及活動を行っています。科目は大きく分けて5つ:農業・畜産・稲作・林業・女性の社会教育
現在研修生は合計で97人。出身地はPNG全国に亘り、長期で研修に来ている青年と、2週間程度の短期研修生。これに対し、スタッフは日本人の荏原さんを除くと、24人すべてがPNG人。みんな、このエコテック研修センターの卒業生です。
所長のフランシスさんは、今年2月にPNG人で初めて所長になりました。

フランシス所長(左手前)

いつまでも日本人に頼らず、PNG人にできることは権限移譲していこう、との試みです。
スタッフ、研修生みんなの笑顔が大変素敵で、すれ違うたびに気軽に「こんにちは」と挨拶してくれます。(それも日本語で。ここでは日本語も教えているのです)

エコテック研修センターの中を案内していただきました。
火食い鳥やワニ!を飼育しています。


火食い鳥



ワニは、センターの運営資金を稼ぐために飼育され、皮や肉を外部に販売しています。
皮は高く売れるそうです。
中には全長2メートルは優にある長老のワニがいて、近づくのもためらわれます。

畑に出てみると、研修生が汗を流して野良仕事に励んできます。敷地内ではトウモロコシ、キャベツ、タロイモ、キャッサバ(タピオカの元になる野菜です)、サトウキビ、マンゴー、パパイヤなど様々な野菜・果物が栽培されています。

研修生が、ちょうど稲の収穫をしているところに出くわしました。炎天下の中、生徒さんたちは一心不乱に稲を刈り、千歯こきで脱穀しています。




日本と違い、熱帯雨林気候のラバウルでは、水田ではなく、陸作を行っています。
数年前から有機農法に切り替え、化学肥料を一切使用していませんので、稲と稲の間には、雑草もまばらに生えています。


また、日本と違い気候に恵まれているので、年に3〜4回、収穫をすることができます。今、収穫をしている田んぼの横では、まだ植えられたばかりの稲が育っています。


同じ土地で連続して何度も作ると、土地の栄養分が失われ、次に収穫する稲に元気がなくなってしまいます(いわゆる連作障害です)。
そこで、収穫の終わった田んぼはしばらく休耕させ、替わりに豆などを植えて土に栄養が戻ってくるのを待ちます。

もともと、PNGには稲作はありませんでした。なぜ、オイスカはこの地で稲作の普及に力を入れているのでしょうか?

当地での従来の主食はタロイモでしたが、お米の美味しさも知っており、特に若い人たちの間では、白いご飯が食卓に上がる日が週2〜3回あるそうです。ところが、お米は栽培されていなかったため、人々はお金を出して輸入された米を買っていました。

そこに現れたのが、カカオのプランテーションです。
カカオはPNGで生産されますが、当地でチョコレートに加工する技術がないため、すべて原料として輸出され、人々はカカオを売って得たお金で、お米を買っていました。

しかし数年前、カカオにとって天敵のシンクイ虫という害虫により、PNGのカカオ産業は壊滅的な打撃を受けます。他に大きな収入源のなかったPNGの人々は、すっかり困ってしまいます。

オイスカがここで稲作を教えているのは、自分たちが食べるお米を作ることで自給自足を目指すとともに、余ったお米を売ることで収入源とすることもできる。

何より、特定の収入源に頼るのではなく、複数の産業を興すことが、人々の生活を安定させるすべになるのです。

この活動は、PNGの各地から研修に来ている青年の心を捕えました。出身の村に帰って、自分で稲作を始めたり、友人に研修センターのことを話して、研修への参加を促してみたり、中にはそのまま残ってスタッフとして働いている人もいます。

稲作は、少しずつながら、PNGに根付き始めています。

翌日、私たちは車で1時間半ほど離れたところにある、ケラバットのCIS刑務所を訪問しました。


この刑務所では、オイスカのスタッフが受刑者に農業指導を行い、出所後のための職業訓練とするとともに、看守の人々も一緒に学習し、PNG全国の刑務所に有機循環農法の指導を促しています。
刑務所の広大な土地には、受刑者が開墾した畑があり、稲が青々と育っていました。一角には精米機が置かれ、収穫した米を脱穀し、販売したり、近くの村民のお米を精米してあげることで収入を得たり、種もみを売ったりしています。


精米機


販売用の種もみを乾燥しています。

その後私たちは、元受刑者で出所後、地元で農業を始めた二人の青年の家を訪れました。マクラパオ村のAさんは、島の奥深くの密林の中で、畑を開墾し、米を作ったり、コーヒーを栽培しています。ここでは村民みんなが、共同で農業に携わり、安定的な収入を得ています。


マクラパオ村にて


村民で開墾した畑の様子


次に訪問したココポ地区のBさんは、ジェイル・バード・ファームと呼ばれる組織を作り、それぞれで稲作や鶏、ウサギ、豚などの飼育をしていますが、なんとこの団体は、元受刑者が集まって活動しているのです!
まさに彼らは刑務所を出てから、立派に社会復帰を果たし、かつ地域に安定的な収入の基盤を作り始めています。


コポポ地区にて

一緒に彼らを訪問してくれたケラバットCIS刑務所の所長さんによると、ケラバット刑務所の活動が州政府にも認められ、自分の刑務所にも農業を普及させたいと看守さんの転勤を要望されたり、こうした元受刑者の農業を支援する予算も計上されたとのこと。
ここでも確実に啓もう活動が根付いていました。

翌日、私たちはオイスカがモデル村構築プロジェクトを手掛けているサンバム村を訪れました。
密林のでこぼこ道を車で走ること約2時間。サンバム村にあるモデル畑に到着しました。


サンバム村

ここでは密林を切り開いて、米やキャベツ、キャッサバ、タロイモなどを植えています。


タロイモ畑の様子


ブロッコリーも育っています!

また、ただ切り開くだけではなく、土壌の弱った場所ではユーカリの木を植林して、土壌保全活動もしています。私たちも植林活動をお手伝い。



サンバム村は昨年、マレーシア華僑企業から、村の木々を材木として売らないか、との話を持ちかけられました。村民にとってはお金になる話ですが、木々が伐採された後は、はげ山が残るだけ。森林が財産の村にとっては、一時期の収入のために大事な財産が失われることになります。

そこでオイスカは、オリジナルの劇を学校で上演し、森林を守ることがいかに村にとって大切なことかを伝えました。

最終的な判断は、村民がすること。その意思を尊重しつつ、環境の教育、無計画な開発の結果について伝える事に尽力し、村は結局木々を売ることを止めました。

しかし、中にはやはり木々を売って収入を得たい人々もいて、一時期村で活動していたオイスカのスタッフが身の危険を感じて、しばらく近づけない時期もあったそうです。
環境活動も命がけです。

最初に不思議に思った疑問が蘇ってきました。
なぜ、例えばパーム畑のプランテーションは、森林破壊につながるのでしょう?
元々あった木々は根こそぎ切り、替わりにヤシの木を植えるのです。

オイスカの長さんが教えてくれました。
コーヒーのプランテーションは、敷地も小さく、他の作物と一緒に栽培できるからまだ良い。
パーム畑は、広大な土地を必要とするのに対し、根を深く張らないため、土壌が弱まり、土砂崩れなどの原因となり、森がなかなか戻ってくることができないそうです。
最初に荏原さんが浮かべた憂鬱そうな顔を思い出しました。

この度のPNG訪問では、エコカード基金を活用したオイスカの地道な活動が、地域の環境保全、産業育成、環境教育に役立っていることが良く分かりました。その道のりは決して平たんなものではなかったと思いますが、短期間でなく、長い時間軸で活動を続けることで、少しずつ実をつけるものだと実感しました。

エコカード基金は、会員の皆さまのご協力の下、引き続き環境修復と保全、次世代の育成をサポートしていきます。

 

南太平洋諸国生態系保全プロジェクト現地視察(2011/8/27〜9/2)

 この度、「南太平洋諸国生態系保全プロジェクト」の現地視察のため、研究会の皆さんとパプアニューギニア(以下、PNG)を訪問してきました。PNGは、南太平洋に位置する、首都のあるニューギニア島西半分と、800にもなる島々で構成される国で、800の部族と、800の言語のある国だそうです。(と、島の人は言っていました)
「南太平洋諸国生態系保全」プロジェクトは、近代化から急速に熱帯雨林が失われつつあるPNGに対し、熱帯生態系保全のため、環境・政策・教育・文化・コミュニティ面から調査し、政策提言を目標とするものです。
出発前にさんざんマラリアの危険性を聞かされ、すっかり怖じ気づきながら、成田空港からパプアニューギニア航空で週1便飛んでいる直行便で、首都ポートモレスビーに向かいました。

空港に降り立った私たちを迎えてくれたのは、驚くほどの自然でした。最近リニューアルされたという空港では、民族衣装を身に付けた、様々なPNGの人々の顔・顔・顔。
すっかり南国気分です。

私たちはさっそく、首都近くのバリラタ国立公園に向かいました。けもの道を歩くこと約30分、鳥塚を発見。



なんでも、1年間に10羽くらいの鳥たちが、順番に卵を産みに来て、後は放ったらかし!
そんなんで卵が孵(かえ)るの?と思っていると、なんと地熱で卵が温められ、ちゃんと雛が孵(かえ)るそうです。
自然の力と鳥の知恵にびっくり。


その後訪れた植物園では、日本では見られない、数々の動物たちとご対面。
ごくらく鳥、木登りカンガルー(!)、火食い鳥など、珍しい動物たちがお出迎え。
まさに生物多様性の国!


ごくらく鳥


木登りカンガルー


火食い鳥


翌日は、自然保護に力を入れている環境保全基金ママ・グラウンのモギナ先生と、一緒に活動されているNGOの人たちと情報交換。



PNGでも有数のNGO、エコ・フォレスティ・フォーラムのマリーさんの話によると、現在のPNGは、熱帯雨林に生えている木々を木材として開発したい会社に日々狙われており、また日々貴重な生態系が失われているとのこと。

PNGの人々は字を読むことができる人がまだ少なく(識字率50%以下)、直ちに収入を得られるという甘い言葉にそそのかされ、伐採の契約書にサインさせられることもしばしば。

少ないお金で広大な森林が切り倒され、気が付いたら自分たちの森が丸裸になっていることも。国も、環境保護の法律をいくつも作っているものの、実際にはなかなか守られていないそう。

また、国土の97%は個人所有で、わずか3%が国有だそうですが、この個人所有地も、実際は部族・村で所有していることが多く、小さなお金に目がくらんだ一部の人々が、他の村民が知らないうちに契約を結び、気が付いたら何も残っていなかった、ということもあるそうです。

また、中には村民の許可なく、国が勝手に開発計画にゴーサインを出すこともあるそうで、問題の根は深そうです。

まずは、人々が自分たちの森の価値を知り、森林を売ることに対して正しい判断をできる知識を持つことが大切だと、マリーさんは話してくれました。


私たちはその後、イーストニューブリテン州のラバウルに飛びます。ここは第二次世界大戦時の古戦場で、たくさんの日本の兵隊さんが亡くなられています。
戦時中いろいろありましたが、ラバウルの人々は大変親日家で、町を移動するだけで、こちらが日本人だと分かると笑顔で手を振ってくれます。
これまで20年以上に亘って、当地で循環型農業の普及活動をしている公益財団法人オイスカの努力も忘れてはいけません。(「熱帯雨林保全プロジェクト−パプアニューギニア」のページも見てね)


私たちは、オイスカの長さんの案内で、循環型農業モデル村のサンバム村を訪れました。
サンバム村は、車で行っても2時間かかる森の中にある、人口350人くらいの村で、自動車さえありません。

私たちが村唯一の小・中学校を訪問すると、屈託のない子供たちの笑顔で迎えられました。


100名程度が在籍する小学校のトゥバン先生は、オイスカの指導の下、子供たちと敷地内で米やキャベツ、トウモロコシなどを植えていると教えてくれました。これも、小さいころから、自然の大切さ、持続的な(自然を破壊するのではなく、再利用する)社会を知る環境教育の一環です。
小さいときから自然の大切さを知る、大事な授業です。

村の広場に行くと、村民挙げての歓迎会を開いてくれました。


葉っぱや花で作ってくれたレイをかけてくれ、村で採れたタロイモのご馳走。


味はちょっと甘みを抑えたサツマイモのようで、これにココナッツのソースをかけると美味。タロイモはPNGでの伝統的な主食の一つで、すっかり満喫。

ここで研究会の皆さんは、村民の皆さんに、生活環境について質問。







村の人々は、森の大切さを感じつつも、現時点では、「森は大切だから切るな」、と言われているから守っているところもあり、自発的に守っていかなければ、と考えるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそう。
とはいえ、木は村の人々にとって大事な収入源でもあります。
例えば、学校の先生になるためには、膨大な学費がかかるにも関わらず、奨学金といった、国からの補助制度もまだ整っておらず、まとまったお金を手に入れるには、木に手を付けざるを得ない事情もときどき発生します。
何でもかんでもとにかく自然には手をつけるな、では生活が成り立たない現実があり、その中で自然保護を進めていくにはバランス感覚が必要で、教育というのが大変重要なのだな、と考えさせられました。


今回の訪問は、普段身近でないPNGを身をもって体験し、人々の生活、置かれている環境、制度上の問題点など、いろいろ勉強になりました。
研究会の皆さんにとっても、政策提言に向けての人脈作りや情報収集に手ごたえを感じる訪問だったようです。

エコカード基金は、会員の皆さまのご協力の下、引き続き環境修復と保全、次世代の育成をサポートしていきます。

 

「芽が出たよ!レポート」 事務局も出ました!!(10周年記念「里親プロジェクト」)

 先週、エコカード会員からの「芽が出たよ!レポート」に引き続き、事務局が蒔いた種からも芽が出ました!!





発芽するまで時間がかかるので根気よく気長に待っていくつもりが、8月29日に種まきをして
わずか1週間でまさかの発芽!!

育てていた環境は、いたって普通のオフィスの窓際。
土が乾かない程度に水やりをし(+愛情はたっぷり注いで)、ある程度日の当たる場所で育てていました。

ギザギザのある本葉が2枚くらいでるまであともう少し!!事務局もがんばって育てます。


事務局